フランス経済学者のジャックアタリ氏は、日米と中国の紛争が今年最大の脅威になると予想する。今日の世界は1910年ごろの世界と比較できる。当時も、科学技術は進歩し、民主主義は機能し、グローバル化が進行していた。世界が民主的で満ち足りた発展を手にすることも可能であったが、閉鎖的なナショナリズムの台頭が二度の世界大戦を生み出した。トランプ氏はロシアを友、中国を敵とみなしている。南シナ海で人工島を建設する中国の動き、核・ミサイル開発を強行し続ける北朝鮮の動きなどを加算すると、アジアは爆発寸前の状況にある。東シナ海、南シナ海で起こりうるすべてのことが心配である。もし、将来、日米と中国が戦争になれば、世界戦争に拡大する。この他に、軍事的火種は、①ロシア対ウクライナなどの旧ソ連圏、②インド対パキスタン、③中東・アフリカ中央部、そしてイスラム過激派組織「イスラム国」。「世界の警察官」はいない。米国オバマ政権時代にその役回りから降りた。米国は世界から手を引きつつある。2006年に米国から撤退する世界に警鐘を鳴らしたが、現実のものとなりつつある。
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