フランス歴史人口学者エマニュエル・トッド氏は、新たな保護主義の時代に突入したと指摘する。そもそも産業発展は保護主義とともに起きた。米国はリンカーンが関税を30~40%にして始まった。欧州では、ドイツがビスマルクの保護主義で飛躍的に成長した。自由貿易が利益になる段階はあるが、行き過ぎると格差が生まれ、最先進国での工員の給与を抑制し、最終的に需要不足に陥る。行き過ぎた自由貿易は経済を停滞させる。グローバル化は特に英米で途方もない格差を生み、日独仏にもある。この格差は資本の移動の自由と、低賃金の労働力を使うことで生まれた。経済的な生き残りに必死となり、子供を持つ余裕がなくなるため、日本や韓国、ドイツでみられるように出生率は低下する。
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