株式会社キザワ・アンド・カンパニー

株式会社キザワアンドカンパニー

女性社員のためのキャリアプラニングの必要性 


ここ数年来、「女性が輝く社会」の実現に向けて、女性管理職の育成、女性の活躍推進のための様々な対策や制度が導入されているが、第1子出産で約6割の女性が離職する(「男女共同参画白書平成28年版」)など、なかなか前に進まないようである。

有職女性の約9割が非管理職志向であるため、女性の管理職比率は11.3%と世界的に見ても非常に低く、会社に入れば上司は男性が圧倒的多数を占めているのが現実である。また、内閣府の世論調査では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方に、男性の46.5%、女性の43.2%が「賛成」と答えている。このように男女の社会的役割に関する伝統的な価値観が支配的であるため、働く女性の多くが「相談してもなかなか理解してもらえない」というように社会で活躍すること自体をあきらめてしまっている。

図表は、企業と女性社員との女性社員のキャリアに関する認識ギャップを示している。企業経営者の多くは、女性が活躍できる環境を整えたいと考えている一方、女性社員の多くは、社会環境や職場環境に問題と困難さを感じている。

 

図表 女性社員のキャリアに関する認識ギャップ

こうした認識ギャップがなかなか埋まらない理由として2つ挙げることができる。一つ目は多くの女性社員が「男性の上司に相談しても、わかってもらえない」という固定観念を根強く持っているため、なかなか本音を話すことができないことである。二つ目は半数の男性が「妻は家庭を守るべきである」とする固定観念を持っているため、子育てや介護などで職業人生を中断することはやむを得ないと考えていることである。その結果、女性社員の多くが、自分自身の長い職業人生について前向きな将来イメージを描くことができないのである。

本人が「職業人生に対する前向きな将来イメージ」を持ち、職場内に「昇進を支援してくれる人」がいると、自己の能力やスキルへの自信が持てるようになるため、仕事にやりがいを持って取り組むことができるようになり、管理職への志向性が高まることが、多くのキャリアプラニングに関する研究で実証されている。

したがって、企業経営者が、「女性にとって働きやすい職場はすべての人にとっても働きやすい環境である」という信念を持ち、積極的に女性活躍の環境づくり推進する必要がある。具体的には、女性社員にワークライフバランスを重視したキャリアビジョンを描く機会を設けると同時に、職場におけるサポート体制を構築することが求められている。

株式会社 キザワ・アンド・カンパニー

専務取締役 鬼澤 佳乃子

国家資格キャリアコンサルタント

ファイナンシャル・プラニング技能士

以上

 

コンサルティングのご案内
企業内研修のご案内

Webからもお問い合わせ・ご相談を受け付けております。