米石油大手のエクソンモービル、そして欧州最大手の英蘭ロイヤルダッチシェルの経営陣を震撼させる「まさか」と思われる出来事が起こりました。
両社はSDGs実現に向けた世界的なトレンドに対応すべく、脱炭素に向けた大胆な取り組みを他社に先駆けて積極的に公表し変革を世界にアピールしていました。
ところが、5月26日に開催された米石油大手のエクソンモービルの株主総会において、議決権行使助言会社の米インスチチューショナル・シェアホールダー・サービス(ISS)は、世界最大の運用会社である米ブラックロックとともに同社の株式をたった0.02%所有する投資会社が提案した環境専門家2名を新任役員に推薦する議案に賛成票を投じました。
また、同日、欧州裁判所は欧州最大手の英蘭ロイヤルダッチシェルに対して、二酸化炭素の純排出量を2030年までに19年比で45%にするよう命じる判決を出しました。価値観の変化はイノベーションの最大の機会であり脅威であると経営学の祖ドラッカーが言っていたことを改めて思い出しました。
世界の機関投資家や裁判所は取り組みが足りないと見直しを迫っていいます。今月、日本でも株主総会が本格化します。日本の電力・ガス会社、鉄鋼・セメント会社など二酸化炭素の排出量が多い企業の経営陣は、こうした動きに戦々恐々をしているのではないかと思われます。相変わらず外圧がないと変われないのでは世界で戦っていけないと思います。
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