アフガニスタンにおける20年に及ぶ米国の戦争が終わりました。正義とは何か、それは哲学的な問いですが、改めて考えこんでしまいます。
作家でカトリック教徒の曽野綾子さんが以前にエッセイの中で書いていた「4つの愛」について手帳にメモをとっていたことをふと思い出しました。もともと愛を4つに分類したのは古代ギリシャ哲学が始まりだったそうです。経営コンサルタントは、切り口を発見するが職業癖になっていて、なかなかいい切り口だなと感心したのを覚えています。
4つの愛とは、つぎの4つです。
この4つの愛は、意図的努力と報酬という2つの軸でマトリックス化できるそうです。( )内のアルファベットの意味は以下のとおりです。
愛という心情に至るのに意図的な努力が必要な場合:A
愛という心情に至るのに意図的な努力が必要でない場合:B
愛することの報いを求める場合:X
愛することの報いを求めない場合:Y
もう少しわかりやすく説明すると、以下のようになります。
フィリア(Philia):共通の価値観を確認するなど多少の努力を要するが、友情の心地よさという果実を得られる。
アガペ(Agape):敵をも赦す包容力なので理性と努力が必要で、しかも見返りを求めない。
エロース(Eros):典型的には男女間の恋愛感情で自然に湧き出る。しかし、相手の応答と自らの満足を求める。
ストルゲー(Storge)自然に湧き出るわが子への情愛だが、見返りを求めない無上の愛。
ガンジー、ネルソンマンデラ、キング牧師といった偉人達は、アガペの必要性を訴え社会を変革しました。しかし、理性を働かせ、見返りを求めない努力が必要なアガペを実現するのは、非常に困難であることを歴史は教えています。古代ギリシャの哲学者もきっと「正義とは何か」を考えていたのではないかと思います。
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