株式会社キザワ・アンド・カンパニー

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集中型発電から分散型発電へ


CO2を排出する火力発電、安全コストが膨張する原子力発電は「集中型発電」システムである。大規模な発電所から電力会社が所有する変電所および配電網をつうじて各家庭、事業主体に供給される。一方、太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーは「分散型発電」システムであり、分散する発電設備をネットワーク化し、大きく変動する電力の供給量と需要量を予測しながら互いに融通し合う。この分散型発電に不可欠なのが蓄電池である。発電した電力をいったん蓄積し、必要に応じて自家使用または売電することができる。すでにドイツ、日本では太陽光発電の普及を後押しする電力買い取り制度は失効が近づいており、分散型発電システムへのシフトが加速している。そのため、大容量の蓄電池の需要が急速に高まりつつある。また、川崎重工は、世界に先駆けて10万世帯に供給可能なLNG(液化天然ガス)発電船を実用化した。インドネシアなど天然ガスが豊富な地域を抱える東南アジアは島嶼が多いため、消費地の近くに発電設備を設置できるメリットは大きい。原発・火力発電事業で苦しむ日立は、ABBの送配電事業を7,000億円で買収し、IoT技術の強みを生かし、分散型発電システムの世界的な成長機会を取り込む戦略である(日経20181204,日経20181218より)。

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