株式会社キザワ・アンド・カンパニー

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次の金融危機の発生源


伊藤隆俊ハーバード大博士によると、金融危機にはいくつかのパターンがある。金融危機は、家計、企業、政府の債務の水準が高まり、返済が不可能になることから始まる。1990年代後半の日本の銀行危機は不良債権型の典型である。1997年のアジア通貨危機では、民間の銀行や企業のドル建て対外債務が膨らみ、返済のためのドル調達の不安が生じた。ラテンアメリカでは繰り返される通貨危機の場合は、外国からの借入の主体が民間でなく政府である。2008~09年の世界金融危機は、米国に住む信用力の低い借り手の債務が返済不能のレベルにまで急膨張したことである。共通項はあくまで、債務の増加である。こうした視点で、現在の状況を見ると、中国の企業債務が危険なレベルまで膨張しているので、最大の不安要素である。リーマン危機以降、金融機関の債務は、自己資本規制が強化されているので、ヘッジファンドやシャドーバンク(影の銀行)を除けば、債務膨張の問題にはならない。(日経20190914より)

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