株式会社キザワ・アンド・カンパニー

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単位生産コスト=労働投入係数×賃金率


東大の藤本隆宏教授は、平成の30年は製造業にとって苦闘の時期と指摘する。1990年代にグローバル競争とデジタル化がほぼ同時に起きた歴史的偶然により、競争環境は激変した。第1に冷戦終結で東西の貿易遮断が終わり、隣国中国が巨大な国際賃金差20分の1をもって突如市場に参入した。その結果、生産の比較優位を失った。第2にデジタル時代が到来し調整集約型のアナログ家電は調整節約型のデジタル家電にとって代わり、設計の比較優位も失った。「単位生産コスト=労働投入係数×賃金率」でみると、日本を基準にすると中国の単位生産コスト=5×1/20=1/4で4倍の開きがあり圧倒的に日本の単位生産コストは高かったが、現在、生き残りをかけた現場改善により90年以降、仮に物的生産性を倍化させた現場があったと仮定すると、10×1/4=2.5のように中国の同業の現場は圧倒的に高くなる。我が国の調整集約型製品の製造現場は、設計及び生産の両面での比較優位を生かして、高機能補完材または部品を世界に輸出する勝機が生まれている。(日経2019年1月9日より)

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