組織の改革を成功させるには、先を見通し、「何を」「何に」「どのように変えるか」というストーリーを明らかにし、組織的に実行することが必要です。事業リスクは、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性の4つから生じます。事業リスクはゼロにすることはできませんが、コントロールすることによって引き下げることはできます。
当社は、企業組織を、生物と同じように、「目的を追求するために活動を続ける一つのシステムと」捉えています。
典型的なシステム
システムの内部では、組織の各要素が従属し相互に依存しながら複雑なネットワークが形成されます。システムの外部では、業界、産業、経済、社会へとシステムが幾層に重なり合いながら、地域・国境を超えて外部環境を形成しています。組織は、絶えず外部環境から影響を受けると同時に、外部環境へ絶えず影響を及ぼします。その結果を絶えず、システム内部にフィードバックし、組織のあらゆる活動を調整します。
経済学では、営利企業の社会的役割を永続的なキャッシュフローの創出による富の蓄積と規定しています。営利企業の「経営システム」とは、「外部環境に適応しながら永続的なキャッシュフローの創出という究極目的を達成するために、相互依存関係にある組織の諸要素を全体最適化するように設計されたネットワーク構造およびそれらを制御するルール・仕組みの全体系」です。
経営システムの改革には、次に示します6つの組織能力の強化が不可欠です。
経営システムの改革には、次に示します6つの組織能力の強化が不可欠です。
当社はこうした6つの能力を「経営システム改革の車輪」(右図)という概念でひとつにまとめました。車軸、ホイール、タイヤの3層構造になっています。どれ一つ欠けても、うまく回りませんし、それぞれがバランスするように設計されて、良い材料と良い加工方法で製造・組立されなければなりません。
変革プロセスとは「何を」「何に」「どのように」変えるかを明らかにし、それを実行することです。経営システム改革は、文字通り、まさに変革プロセスそのものです。
当社、貴社の経営システムの改革に向けた取り組みに対して、つぎの3つフェーズで支援します。
本コンサルティングの期間は24ヵ月(2年)で、その目標は貴社が経営システムの改革に必要な6つの組織能力を強化し、具体的な既存ビジネスモデル収益性の大幅な改善および新規ビジネスモデルによる新たな収益源を生み出すことです。
以下、それぞれのフェーズごとに、当社がどのように貴社のオープンイノベーションプロジェクトを支援させていただくかを説明します。
フェーズⅠの課題は、まず変革の対象(「何を」)を明らかにすることです。貴社の経営システム改革プロジェクトを支援するために、まず開始の段階でトップエグゼクティブとのひざ詰めの打ち合わせを実施し、貴社が置かれている社内外の事業環境を貴社の言葉で語っていただきます。貴社と当社が協働で企業分析シートを作成し、思考の枠組みと現状認識を明らかにし、共通の思考地図を持ちます。
経営システムの改革には、経営トップのリーダーシップが決定的に重要な役割を果たします。フェーズIで、経営トップには新たなパラダイムの本質を理解していただき、リーダーとして取り組むべき変革のステップにコミットしていただけるよう支援します。
フェーズⅡの課題は、変革のビジョン(「何に」)を設定することです。経営システム改革を推進する母体として、経営システム改革プロジェクト(以下MST-PT:Management System Transformation Project)を立ち上げます。メンバーは、研究開発、知財管理、事業部、販売マーケティング、財務部門から選出し、経営トップ直轄の組織とします。尚、市場セグメントが複数となる場合には、市場セグメント別に分科会を設けます。
ビジネスモデルの6つの次元を検討し、既存ビジネスモデルの改革または新たなビジネスモデルを構築します。
ビジネスモデルの6つの次元
つぎに、こうしたビジネスモデルの協議の成果をもとに、企業戦略(成長戦略)とその課題をまとめ経営システム改革の必要性、方向性、課題が明確化しています。MST-PTおよびその経営幹部の皆さまと共有します。
MST-PTメンバーは、まずフェーズⅡで設定された課題別に行動計画を作成することです。また、行動計画の作成と合わせて、経営トップは、ビジョンと企業戦略を戦略ストーリーにまとめ、「○○社経営システム改革ビジョンとアクションプラン」(仮称)にまとめ、経営トップが全社員に向けて発表します。
経営システム改革のプロセスは不確実性が高く、行動しなければ見えない、未経験、未知の問題や障害に対処しなければならないことが多々起こります。そこで、行動計画の作成および実行の局面で、組織学習の思考ツールである「TOC論理思考プロセス」、社内外のボトルネック資源に集中し改善を進めながら、実行リスクの低減とリードタイムの短縮を実現するプロジェクトマネジメント手法である「クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント(CCPM)」を使用します。
Webからもお問い合わせ・ご相談を受け付けております。